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日々の破片

著作一覧

2006-05-21

_ Every day I look at the world from my window (Kinks)

地球の果てまで筒井筒(追記:そういう意味だったのかぁ)。

とりあえず、かって知ったるロックカスバとやたら短いのと落っこち芸術を見た。と書いてる先から次々と見ていくというか聞いていくというか。Abdelkaderはすごく好きなタイプの曲だ。わくわくしてくる展開。交互に追っかけてく歌というのが好きなようだ(となぜオペラがすきなのかちょっとわかった)。

フィンランド+フランス+UKってのはどうだろう? コントラクトキラーを雇ったよ。在りし日のジョーストラマーとジャンピエールレオーだ。

なぜか、ロンドンの水道局でつまらない仕事をしながら毎日を送っているジャンピエールレオー(トリュフォーを失ってからろくな仕事がないらしい)だがある日リストラされてしまう。やけになってついコントラクトキラーを雇ってしまう。しかし、恋をする。だから契約を破棄したくなる。でも、それはできない。

フィンランドと言えばレニングラードカウボーイズ(このビデオ初めて見たけどいいなぁ。しかし12人しか見てないのか。勿体無い)。サビが泣ける。というかなぜかサボテン。交通事故で死んだ犬をよみがえらせるために、ガソリンスタンドで決死のライブを敢行するカウボーイズ。

赤軍合唱団のやつのほうが妙だけど。

_ 早いぞアマゾン

もう駅の歴史が届いた。

図説 駅の歴史―東京のターミナル (ふくろうの本)(交通博物館)

さっそく、いくつか確認。こないだ丸の内に行ったとき見かけた銅像の主の井上勝(馨のパチモンみたいな名前だ)。しかし、聞多ら4名と脱藩って兄弟でもなんでもないのかな? なるほど、東京駅の前に立っているのもわかる。というか国禁を犯してまで留学して鉱山と鉄道技術を学ぶというのは、遠見明察な男だな。

内田百閒の名前が出ているので眺めると有名なエピソードという初めて聞いた話が出ていてなんとも奇妙だ。不思議な人であるな。

意外に飯田町駅とその写真群に心を惹かれる。見慣れたしかし時間が異なるためにまったく異なる風景というのは奇妙なものだ。静かな新宿西口の夜とか。共犯幻想とかちょっと思い出したり。

それと同時に届いた高橋悠治の現在(2004年)を聴く。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲(高橋悠治)

生まれて初めて買うエイベックスになるのか。

相変わらず憎まれ口のような言葉と自省の言葉が入り混じった奇妙な解説。

世界は いまだにこの普遍主義の押しつけからの出口を見つけられないでいる

……

現在では毎年のように この曲の新しい演奏のCDが消費される

……

その競争に加わってどうするのだ

でも指は正直。楽譜の縦の線を軽く越えて、以前の録音の時もそうだったタンラタンラランのリズム(もっと揺れているが)。

この人ほど、楽器の技術者、職人という印象を受ける人もあまりいない(今やルックスまで職人の親父風であるな。しかしペーズリのシャツではある)。機械で代替可能な技術ではない技術。

しかし、結局のところ、一回限りの録音を何度も聞かせるための方法論という、「北アメリカ」生まれのやり方の枠内とは言えなくもないかな、とも思う。

16変奏曲の途中で急に静まり返らせるところがすげえきれいだ(と今、感じた)。

追記:録音のせいもありそうな気がするが、これはすばらしい。これまでのベスト達(最初と最期のグールド、タンラタンラランの高橋悠治、軽くて軽いピーターサーキン、おれが脳内で補完/補正したおれ自身の演奏)のどれよりも良い。反響のせいかな? 全部の音がきちんと聞き取れていながら全部が合わさった響きが聞こえる。

_ ちょっとなんとなく軽い絶望的な気持ち

駅の歴史を読んでいて、なんとも言えずにいやな気分に襲われた。死ぬほどでもないし捨ててしまうわけでもなく、素敵な音楽をちょっと聴いてれば直る程度の絶望感だ。

同じ交通でありながら、鉄道は歴史を残し、人を残し、写真を残し、人々にさまざま感慨を残す。

わが国のネットワークにそういうものがあるのだろうか?

IIJが始めました。JUNETが始まりです。(と書いてからインターネットに捕らわれるのは間違いと気づく)、当時Nifty、PC-VAN、日経Mixというものがありました。NTTデータによるCAFISというサービスがありました。HDLCを利用した……X.25を用いた……、専用線とは……、全銀手順、ISDN、56.6k、通信プロトコル事典(というような題。朝日新聞社)、名士録? 村井純とかitojunとか。タイタン、千里眼とか(と、またインターネットに戻ったり)。草の根BBSとか。

片方には、鋼鉄のレールと駅舎があるのに対して、こちらにはプロトコルと物理層がある(だけ)。井上勝みたいな人はもちろんいるわけで、遠見さをもって技術を導入する。

でも、それが歴史として愛されたり感慨を呼んだりするということがあるのだろうか? 100年後に。失われた万世橋駅に思いをはせるように、K56Flexモデムのことが語られたりすることがあるのだろうか? ねぇよ。って言うか知らないだろ(忘れてただろ)。で、最後のアナログ回線の撤去が行われて……となっても、誰も何も感じもしないだろう。ラスト1マイルという言葉とか、駅前を覆い尽くす恐怖の赤い軍団とか。

というような感情から、出てくるのかね? 例の虚業どうしたみたいな言質って。と突然、言葉と思考が地滑りしてるってことは、もうどうでもよくなったということのようだ。さて社会復帰。


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