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日々の破片

著作一覧

2016-08-02

_ 敵の敵と味方の味方

「の」をいっぱいつけても味方は味方なので味方は恒等関数、それに対して敵はフリップフロップだなと思った。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

_ shiro [フリップフロップにするには、「世界は敵と味方に排他的に分割できる」以外の条件が必要な気がします。多分「敵」「味方」が..]

_ arton [どちらかというと、想定している敵に対して敵対している連中とは全て共闘できるか少なくとも敵対しない=味方、ですかね。]

_ arton [最初考えたのは、「味方の」を恒等関数にするのは、味方を増やして考える高等戦略だなという洒落だったりして。]


2016-08-03

_ また飼い犬に手を噛まれた

Windows10 1607がリリースされたのでメインマシンへ入れようとしたら、早速Windows Updateで配信された。が、見ていたら再起動後しばらくして元のバージョンへ復元していますとか出てきて、見事に何も変わらない。

はて?

で、詳細を見ようとWindows Updateの詳細情報を見ても障害系の情報はなく、代わりに更新アシスタントへのリンクがある。

更新アシスタントを使えということか? と、インストール、実行すると、管理者に言ってアップグレードしろと出てくる。

何でだ?

で、更新アシスタントは更新アシスタントなのでEnterpriseには通用しないとわかるまでしばらく時間を取られたが、結局MSDNから1607のISOをダウンロードしてインストール(同じWindowd10システムのアップグレードなのに問題なくできるということは内部は異なるシステムなんだな)。

で、再起動しばらくするとまた復元が始まる。

イベントビューアーを見て充電中のタブレットを外して再実行(ドライバーが見つからないエラーが出てた)してみて、また復元。

イベントビューアーを見てRuntime Brokerの権限を変えて再実行(システムイベントでエラーになってた)。で、また復元。

しかし気づいた。

復元が走るのは大体再起動後5分だ。

見た目のリセットがないから気づかなかったが、ウォッチドッグタイマーだろ。

というわけでBIOS設定でウォッチドッグタイマーを無効化してやり直して、無事1607になった。

が、WSLのベータがとれてなくてがっかりだ。


2016-08-06

_ 箪笥町のカプレーティとモンテッキ

ミャゴラトーリのカプレーティとモンテッキを観に箪笥町。この集団の舞台はこれが初見。

着いたら異様に行列していて区民ホールの警備員がいろいろばたばたしていて驚いた。すげぇ人気じゃん。会社を無理やり早めに出て良かった。

子供が、「もしかしてメゾンカイザーの近く?」と聞くので「そうだけど(何度か来たことがある場所だったのだった。それにしても区民ホールというよりもマンションに見えるのでこんなところにホールがあるとは気づきもしなかった)、終演時には終わっているんじゃない」「だよねー、がっかり」みたいな会話をしながら始まるのを待つ。

白塗り黒服のおっさんがゾンビのようにふらふら出て来て、はてどういう演出か? と思ったら舞台に戻って指揮を始めた。こんな指揮者ははじめてだ。

カプレーティ一家のギャング達が集まって、歌い始める。これは良い演出だなぁと驚いた。

(以前ディドナートがロメオを歌った舞台の録画を観て、なんと直截的なロメオとジュリエットなんだと驚いたが、この演出はシェークスピアではないロメオとジュリエットを実にうまく利用している)

若頭のテバルド(シェークスピアのティボルド)が剣をぎらつかせて歌う。悪くない。

ロメオが良くわからない子分3人連れて登場。このロメオの歌手(寺田宗永)、すごく好きな声だ。子分3人はあっという間に惨殺される。カプレーティ親分に銃を突きつけられても平然とするロメオ。

それにしても、ロメオの強運っぷりがモンテッキ組の躍進の秘密なのだろう。

物語としては、ジュリエッタのぐずっぷりが不快なのだが(しょせんヤクザの跡取り娘だから、そりゃそう簡単に一家を捨てるわけにはいかないだろうが)歌は美しい。

休憩時間にあたりをうろうろしてみたが、そこら中に小汚い禁煙ポスターが張りまくられていて、ここまで汚くするくらいなら禁煙解除したほうがよっぽどきれいなんじゃないか? と不思議になる。新宿区というのは、奇天烈なところだ。

2幕。

ロメオとテバルドの対決、毒を呷ったロメオと復活したジュリエッタの二重唱、いずれも良い。

最後亡霊が大量に出て来て(亡霊集団をロレンツォが引き連れてきたようでもある)ロレンツォがカプレーティ親分の責任を問う。

待て、この演出はおかしいぞ。

死者が人間の責任だというのは良い。しかし、指揮者が死者の扮装をしているのは、おかしくはないか? 責任が人間であるならば、指揮者もまた人間であるべきだ。とか、考えてしまうわけだが、血を流していないからおそらく死者でも人間でもなく、超越者なのだろう。

それはそれとして歌は良いし、演出もダイナミックでおもしろく、伴奏のピアノの表現力というのはすごいものだなぁとか、実にいろいろ楽しめた。

こういう団体もあるのだな。


2016-08-08

_ ポケモンGO痛恨の日々

・持ち物をさわっていると、しあわせタマゴは歯止め抜きでいきなり転がり出て右上でカウントダウンが始まる(としか思えない)。

で、2個くらい無駄にしたらしく、いつの間にか減っているなぁといじった瞬間に転がり出てカウントダウンが始まり(それで、あ、これ見覚えがあるがしあわせタマゴの有効時間のカウントダウンだったのかとわかった)、やりたくもない進化合戦をやってみた。

その結果、1000越えピジョン6人衆(本当は10人衆くらいできたが、途中でさらに飴に変えた)を使うと、少なくとも2000近いシャワーズが1匹で守っているジムは陥落できることがわかった。

しかし特攻隊だなぁ。

・そうやって陥落したジムになんとなく手持ちの適当なポケモンを置くときに、いきなり強いのを置くと、自分で倒せない(つまり、ジムの評判を上げられない)状態となってジムのレベルが上がらず、あっというまに陥落する。

(今日、レベル8か7のジムを見たが、こうなると特攻による一挙陥落は期待できないので、じわじわとレベルを落としていくしかないだろうな)

・にしても、ジムに自分のポケモンを置いた時点でピカチューをクリックして盾をクリックするば少なくとも10ゴールドもらえるというのは気づかなかった(なんか21時間という制約があるのは知っていたのだが、1度クリックしたら次にクリックするには21時間待つ必要があるということだったのだな)。というか、最大2ジム同時置き状態ができたことがあったのに、その時知っていれば……

・田舎へ行って本当にマニ車が置いてないのに驚いた反面、ポケモンはブブーと5分おきくらいになって、5匹くらいに取り囲まれるのにも驚いた。こうなると、どれだけモンスターボールを仕入れておくかが重要なようだ。一方、生活圏では(ジム戦直後以外は)常に持ち物は満杯でなんとななくマニ車回して歩いているだけで50×20=1000EXPくらいすぐに稼げるし、クスリのためにモンスターボールを捨てているくらいだから、全然、ゲーム性が異なるのがおもしろい。


2016-08-11

_ ニャースを探す旅

妻とポケモンGOしながらふらふらして気づくと妻がいない。

おかしいなぁと戻ってもよくわからないのでメッセンジャーを飛ばしたら返事が来てやっと合流できた。

「なんかこっち見てるから気づいているのかと思った」とかいうけど、全身黒ずくめの忍者スタイルだから闇に溶け込んで気づくわけがない。

なんで来ないの? と聞いたらポケモンGOのモンスターインディケータからニャースが外れるからそっちへは行かないことにした、とか言う。

で、そういうことならつきあおうと、うろうろしていたら、道端にグレーの小柄なリアルニャースがこちらを見ていた。なんか妙に弱っている。

とはいうものの、どうにもならない。

さらに先へ進むと空き地にニャースがいて二人で捕獲作業に入る。おれは3回目くらいで消えてしまったが(どうもここぞというと消えることが多い印象がないわけでもないが、あまり投擲がうまくないようだ。気づくとカーブ加算がされているが、そんなものしようと思ったこともないので、何か根本的に投げ方を間違えているのかも知れない。コイキングはいくらでも捕まえられるのだが)、妻はばっちり捕まえて見せびらかされた。

元来た道を戻るとリアルニャースも消えていて、戻るべきところへ戻ったのかな? と思う間もなく弱弱しいニャーニャーが聞こえてくる。見ると道端に狛犬みたいなポーズで鳴いている。誰かを呼んでいるのだ。

家にはすでに2匹いる。3匹目は無理っぽいが、あまりに弱々しくつまり痛々しい。このあたりは昼間人口のほうが多い場所だからおそらくどうにもならないだろう。

そういうときはいつでも断腸の思いでその場を去るのだが、ふと、こういうときにあまりに哀れに感じて家に連れて帰って何10匹も育てることになるゴミ屋敷の住民みたいな人は、その点に関しては一歩を踏み出せる人なのだなと考える。

翌日、同じころに通りかかると、ポケモンGOのインディケータにニャースが写っているのに気づく。しかしリアルニャースはどこにもいなかった。


2016-08-13

_ ナイトクルーズ・オ・ボン

昼間、池尻大橋のあたりから山手通り(新)に入り高架になっているところから富ヶ谷のところまで全然他に車を見なくて、あまりの気持ちよさにしびれまくる。

そうか、お盆だった。

というわけで、晩飯食った後、妻と毎年恒例のお盆ドライブに出た。

新宿通りから紀国坂に入りニューオータニの脇に続く道へ左折して、そのまま赤坂、虎ノ門、新橋、昭和通りに入ってから銀座方面へ左折して三越の角を右折、京橋、日本橋とするする流れる流れる。

この間、ほとんど信号待ちの常に先頭(つまり、滞留している車がない)

特に感動的なのは新橋で、夜9時ともなれば酔っ払いが傍若無人に徒党を組んで道路を横断してはタクシーとぶつかってあたり一面の阿鼻叫喚の地獄絵図が日常茶飯事な場所とは思えない。高歌放吟も怒声も異臭も急ブレーキ音も何もない。新橋が静謐を取り戻す日だ。

京橋から日本橋にかけて、街並みの美しさに感嘆する。すべてのビルが明かりを消すと、街燈が実は素晴らしいデザインで規則正しく配置されているのがずーっと遠くまで見渡せるからだ(車のテールもフロントもライトが無いのも効果的)。

時々、妙なふらつき運転をしている車を見かけると、すべてがすべて多摩ナンバーで、どうも運転の練習に都内に来たのかも知れない。普段はまったく目立たないので妙に目につく。

歩道や信号で見かける歩行者は、大体が家族連れで、手に荷物を持っているのでおそらく観光客なのだろう。

と、お盆気分をさんざん味わいながら神田へ入って、靖国通りを左折した瞬間、直進した先が煌々と光り輝いているのに気づく。秋葉原だけが妙に明るい。はて。

そこで小川町のあたりで右へ曲がり不忍通り(だと思うのだが、中央通りの1本西の道)に入り、神社のところで右折して中央通りへ向かう。

人がいっぱいいるじゃん。店もやっている。

亜土電子前の信号がない横断歩道がいつも通り、車のことなど眼中にない連中によって封鎖されているのをはね飛ばしながら中央通りへ左折して、おびただしい人の群れに目を疑う。ソフマップになったTゾーンがまだ営業している。

なぜ、秋葉原だけこんなに人がいて、店が開いているのだ、こんな時間に。

(コミケ)という言葉が唐突に脳裏に浮かぶ。流れてきた人間がここに集まってきたのか?

それから湯島のほうへ左に入り、水道橋から竹橋へ抜け、内堀通りから246へ右へ入り、そのまま靖国通りに入って市ヶ谷で右折、飯田橋で箪笥町のほうへ左折して京王ストアで買い物する。ここはやっていた。

防衛庁のほうへ左折して四谷三丁目で右へ新宿通りに入り、内藤町の郵便局のジムで赤チームを駆逐してから帰路へついた。


2016-08-14

_ 桃体験

以前、異様に大量に天ぷらを出してくる天ぷら屋さん(今は廃業されてしまったようだ)に入って、それまで知らなかった天ぷらの食べ方を知って驚いたことがあったが(天ぷら体験)、今度は桃だ。

以前からFBで福島餃子Ruby親方ことxibbarさんが、近所のスーパーで桃が一山いくらだったといったログを写真付きで上げているのを眺めて、なんでそんなに安いんだ? と羨ましかったわけだが、ついに辛抱たまらず頼んで送っていただいた。ありがたい。持つべきものは友人とはよく言ったものだ。

その結果、大量の桃を目の前にして、3人家族でがんがん食っても日持ちするかどうかわからんし(スーパーで売っているものそのものだから、基本、ふつうの賞味期限だろう)、近所におすそわけして、でもまだまだたくさんある。

そこで、とりあえず、ちょっと傷んでいるやつをまず1個食ってみるかと、考えた。おれはナイフを使って桃の皮を剥くのは得意ではないから、ピリピリ剥がす方式ではじめたが、まだるっこしい。

途中で面倒になって(おれは、果物はミカンとバナナ以外は皮を剥くのが面倒なのだ)適当に洗ってそのままかぶりついてみた。

うまい。

子供の頃、なんとなくやってみたくなって桃に頬擦りしたら死ぬほど痛かったので、それ以来、桃の皮は恐怖だったのだが、洗って湿らせて産毛が寝た状態なら舌に刺さるわけでもなく、もともと薄いこともあって、そのまま食っても全然問題ないじゃん。あっというまに1個食い終わったのだった(もしかすると品種改良の結果、現在の桃の皮の産毛は当時のものよりも短く柔らかいのかも知れないな)。

1個その調子で食ったから、晩飯食って食後にまた1個、同じように洗って皮ごと食う。実に痛快である。というわけで、以後、そのまま洗って食うことにした。

これは、やはり1個360円とか500円とかだったら、こうはいかないな、と考える。1人1個ではなく、皮剥いて、削ぎ切りにして皿に盛って家族数分のフォークを出してちまちま食うよなぁ。桃は果物の宝石だ。

その一方で、1個360円とか500円で売られているのも、それなりに適正価格なのだなとも考える。食べ方が異なるのもしょうがない。

送っていただいた桃は段ボールのちょろい化粧箱に桃の大きさにプレス成型したっぽい紙の中仕切りに入れられて来たが、1玉1玉がウレタンでくるんでいるわけではない。だからそれなりに注意して運送屋さんが運んだとしても当然のようにそれなりに(衝撃などで)傷んだところがある(特に型より微妙に小さいような玉)。最初に食べたのはそんな感じだ。見た目は悪いが(よくわからない理由により)糖分が集中するのか甘い。すぐに食べるのであれば単に見てくれがよろしくないというだけのことだが、衝撃で傷んだ場所は、食べられなくなるという意味での痛みが早そうだから物流過程では作らないほうが望ましいことになると思う。

それを避けるには、やはり個別に包装することになるだろう。

そこでもし、すべてをウレタンでくるむとしたら、傷つけたり強く掴んだりしないように気を付けながらおそらく手作業で行うことになるだろう(ベルトコンベアで一気に処理する機械とか柔らかさを考えると実現できていないと思う)。すると、1玉につき1人1分で処理できるとしても60個あたりで1時間1000円はコストがかかる計算となる。箱ももう少し考える必要が出るだろう。積み荷も荷下ろしも宅配レベルとはいかないかも知れない。大量に積める場合、単純に重ねられないだろうから、箱ごとにうまく分離しなければならなそうだ。

結果的に、産地以外では物流コストが大きくなるので(廃棄ロスも当然考える必要がある)価格は上げざるを得ないし、すると買う側も大事に食べることになる。皮ごとむしゃぶりつくというカジュアルな食べ物ではなくなる。

送っていただいたスーパーはネット販売とかはしていないだろうから、ちょっと似たような雰囲気の桃を探したら、アマゾンで訳あり(サイズが不揃いとか、衝撃による痛みがあるというような意味だろう)家庭用というのがあった。

家庭用【訳あり】産地直送【福島産 桃】3kg(8~12玉)(-)

このアマゾンに出されている桃でも、1500円で8~12玉(大きさによってばらつきが出るのだろう)までは良いのだが(1玉120円平均とすれば、ガリガリ君と変わらない)、送料が関東で1000円かかってしまうわけだ。

とたんに1個あたりの価格がガリガリ君から、ハーゲンダッツ(よりはちょっと安い)になってしまう。ガリガリ君とハーゲンダッツだと同じアイスといってもちょっと食い方が変わってくる。

すると、桃を食べるという一言でも産地のスーパーでカジュアルに買って食べている人と、そうでない人では、印象がまったく異なるものになる道理だ。

とか頭ではいろいろ考えながら、舌と口は桃はうんまいなぁとおいしく食べるのだった。

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_ ムムリク [次は、川中島白桃をどうぞ、とおすすめしてみます。]


2016-08-17

_ プログラミングElixir

この日記の文脈でElixirというと、まず何よりもドニゼッティの愛の妙薬だが、ここではプログラミング言語の名前だ。

笹田さんと鳥井さんが翻訳されたデイブトーマス(どうしてもデイブはただのデブというフレーズを思い出してしまう)の『プログラミングElixir

Functional
|> Concurrent
|> Pragmatic
|> Fun
』をいただいた(初稿の校正読みに参加したからだ)ので紹介する。

第3言語としてお勧めして良いと思う(第1言語にはならないという意味ではない。ふつうのソフトウェア開発ではElixirを第1言語にすることはあまり無いだろうなぁという考えからで、第1言語にすることを選択できるのならすれば良いと思う。基盤はErlangなので実績的にも問題ないはずだ)。気に入ったのでおれは第3言語としてはElixirを使うつもりだ。

まず、全部は読んでいない。

『はじめに』、3部構成の半分を占める第1部『伝統的なプログラミング』は実際に手を動かして、練習問題も解きながら熟読した(ただし初稿)。

第2部『並行プログラミング』は書籍を頂いてから読んだ。半分は手を動かしながら、半分は単に読んだ。

第3部『より高度なElixir』は読んでいない。マクロ(マクロがある言語なんだよ!)、ビヘイビア、プロトコル(Objective-C用語の意味でのプロトコル。Java,C#ならpublicインターフェイスだ。なぜpublicを付けたかというと、モジュールスコープでのインターフェイス(Javaには無いけど)がビヘイビアだからだ)といったもの(と1文を書くために、読んでいないと書いた端から流し読みしてしまった)。

趣味の人は別とすれば、おれは3種類のプログラミング言語を覚えると良いと思っている。

第1は、仕事で使う主要言語だ。普通の世界ではなんらかのコンパイル言語となるだろう。たとえばおれの場合は、C(と古い使い方でのC++)、Java、C#、Objective-C、(コンパイル言語ではないが)JavaScriptだ(あと必要に応じてVBやCOBOLもあるがぐっと頻度は落ちる)。

第2は、それに対する補助言語だ。Unixであればシェル、sed、awk、find、grep、wc、cut、sort……となるのだろうが、Windowsメインの場合そうはいかないのでどうしてもプログラミング言語が必要となる。というわけでおれの場合はRubyがそれにあたる。解析、分析、ソース生成、ファイル大量操作といったありとあらゆる日常のさまざまな場面で頻繁に利用することになる。

余談だが、素人の職業プログラマーと、玄人の職業プログラマーの差は第2言語を持つか持たないかの違いだとおれは考えざるを得ない。

第3言語は第2言語に飽きたときにちょっと使う補完言語だ。これが微妙で、第2言語と異なり職業的にはなくても済むのだが、あったほうが間違いなく良い。楽しいし発想を転換するためのきっかけになる。発想転換のトリガーとしたいのだから、第1および第2とは完全に異なるほうが良い。というわけでPythonとかScheme(Gauche)とかいろいろ試したが、どれもいまいち違うなぁという感じだった。もっと全然違うほうが良い。かといってScala、Haskellといった本来第1言語クラスのやつだとちょっとヘヴィー過ぎて第2言語補完物とは成らなかった(ちなみにScalaは嫌いではない)。REPLをほいほい立ち上げられる言語が良い。この分類でいくとKotlinやSwiftは第1言語っぽいね。

Elixirは良い。まず軽い。すぐREPL(iex)が立ち上がる。

そしてシンプルだ。もう、すっかり(x, y)=>expとか(x, y)->{exp;}とか程度でなければ指を動かす気になれなくなっているので、これ重要(でもendと打つのは苦にならんけど)。

本当にこんなんで良いかまだ初心者過ぎてわからんのだが、ファイルxを1行ずつ処理(ここではプリント)するのはこんな感じだ。

File.stream!('x') |> Enum.each(fn(line) -> IO.write(line) end)   # File.stream! を覚えたので修正

本書はリファレンス的には使えない(最初からその点は放棄している)ので、Fileモジュールの説明すら出ていないが、それはWebでリファレンスを見られるのだから不要と考えているのだろう(ってことは日本語でなければだめな人はElixirを使えないね)。

そのかわり、プログラミング=フィルタリング変換(「プログラミングはデータの変換をするものだ」という最初の節題にしてあるくらいでした)ということを最初のあたりでこってり説教される。確かにLINQばかり書いていると、えらく納得感があるのだった。

あと、第13章のGithubからイシューリストを読み込んで一覧表示するプロジェクトの作成方法の説明は良い。こういうのはプラグデイブの面目躍如だ。

プログラミングElixir(Dave Thomas)

_ プログラミングElixir追記

あと、読んでいて思ったというか、Githubのイッシュー眺めて感じたのだけど、コンピュータ科学の先生(笹谷さん笹田さん(ひどい間違いごめんなさい))と、日本語にこだわりのある技術者(鳥井さん)というコンビは、なかなか最強。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ technohippy [笹谷さん → 笹田さん でしょうか?]

_ ささだ [filtering じゃなくて、transforming(変換と訳出)ですね。]


2016-08-20

_ ポケモンGOの旅をはじめて1か月

ポケモンGOはいろいろな楽しみ方があるという点がおもしろい。

以下、一部以前のメモの内容を含むがこれまで気づいた点を記録する。

とりあえず、ほぼ日課のように、家から駅、地下鉄区間、駅から勤め先の往復、昼間の勤め先周辺(おかげでほとんど昼飯を食わない習慣となってしまった)、夜寝る前はポケモンGOをしている。

1回だけ旅行して、千葉は冨浦の道の駅へ行ったらビリリダマ6匹とコイル2匹に囲まれて、あーこれが「巣」というやつかと思ったが、それを除けば基本的に上で書いたところだけですべてまかなっている。

冨浦道の駅

(コイル1匹とビリリ玉4匹捕まえたところで記念写真を撮ることにした。それにしてもポケストップが無い(近くのスポーツセンターみたいなところに1つある))

その結果、今は次のような構成だ。以下、他人にとってはどうでも良い解説が入る(こういったコレクションオリエンテッドな思考ができるのも、ポケモンの楽しみなのだ)。

ストッカー

カイリューはやっと昨日の昼間に野生のハクリューを捕まえて(このハクリューはCPが48程度のコレクションアイテム)ゲットしたミニリュウの飴を使って、その前にある程度のミニリュウ(なんでミニリュウはウで終わって後のはーで終わるんだろう?)を進化させておいたCP860くらいのハクリューを進化させて作った。そのあと、4回くらい強化して2000を超えたところ(ミニリュウは1日あたり2~4匹捕まえられる)。

ギャラドスは、家の周り(といっても150mくらい移動しなければならない)と勤め先の周辺に川があって、どちらでもコイキングがいくらでも捕れるので気づいたらたくさんいる。CP1837のトップのやつは比較的早いときに作れてカイリューが守るジムの攻略でやたらと世話になったのだが、常に強化がいっぱいいっぱいとなっていて、トレーナーレベルが上がらないと強化できない状態。それに対して2番手は昨日作ったもので、こちらは伸びしろがありまくるので今後はこちらが主体となるだろう(まだ星をつけていない)。3番手とキャラが被っているがまあいいや。

ナッシーは気づいたらいたが、多分何かのはずみ(後述)でタマタマを進化させてみたのだと思う。見た目が好きではないのだが、近所でコイキングが捕れることの裏返しで近場のジムは水系が守っていることが多いので気づいたらやたらと活躍させていた。ただ、タマタマが入手しにくいのでなかなか強化できない。

ブースターは最初にイーブイを進化させたら作れた。体力がないのでバトルでは今ひとつなのだが(植物のくせにナッシーが3、4回足踏みすると死ぬ)最初にゲットした大物なのでわりと好きだ。シャワーズも昨日から参入。

ラプラスはまだトレーナーレベル1か2のときに10kmの卵からいきなり孵った。大事に強化しているのだが最初に持っていた飴が尽きたのでたぶん、このままだろう(強化に必要な砂がまだ2000台なので伸びしろだけは大きい)。

バトルでの主役はずいぶん順位が下がったがサンダースで、かみなりさえ落とせばたいてい勝つ。しかし実は常にトレーナーレベルの上限での強化となっていて、つまりまったく伸びしろがない(おれのトレーナーレベルが上がると2回くらい強化できて+60~70というところ)。上のナッシーと違ってイーブイは比較的捕まる(と言っても1日に1匹から多くて2匹)ので飴にはそれほど困っていない。実ははるか下にもう一匹サンダースがいて(CP1000台)そちらは伸びしろは十分にあるのだが必殺技が10万ボルトで、かみなりに比べるとどうってことないうえに、進化直後のCPも低かったのでこちらのサンダースに比べると冴えない存在だ(なので対ジム戦では特攻要員扱いだ)。実はもう1匹CPの高いサンダースが欲しくてイーブイを進化させたら順位6位のシャワーズになったのだった(というわけで、名前固定裏技を使ってまで~を入手する! という遊び方はしていない)。

スターミーは野生のままだが、ハイドロポンプがあるのでやたらと強い。くるくる回ってバトルするのも楽しいので好きなキャラだ。最初に敵方のジムで出会ったときはあまりの気持ち悪さに死にそうになったが、味方であればおもしろい。

プテラは卵から孵った。破壊光線の持ち主なので頑張って強化しまくったのだが、全然活躍できない謎の生き物だ。

カイロスとストライクは対植物用でいずれも野生(対植物と考えていたのだが、実際にはジムを守るナッシーにはストライクは強いがカイロスは全然だめだな)。

ゴルダックもコイキングと同じくやまほどコダックが捕れるので気づいたら増えていた。技もいろいろあるので重宝している。ただ、ジム戦では選択時に詳細を参照できなくてわけがわからないので、必殺技を名前につけて区別するようにしている。

というように、どうもおれの楽しみ方はジム戦主体で、そのためには強化されたポケモンが必要で、強化のためには星の砂が必要で、そのためにはポケモンをとにかくポッポだろうがコラッタだろうがゲットしなければならず、ポケモンをゲットするためにはモンスターボール、ジム戦終了後のためにはキズ薬が必要で常にポケストップを回し続けなければならず、そのためには歩き回らなければならないので卵が孵化すると星の砂が余分に手に入る、すると強化する、強化するとジム戦で試したくなるというような円環構造っぽいものとなっている。


いろいろ気づいた点がある。

・おれは現時点では課金していない(変な日本語だと思うが受け入れる)が、課金するならとにかく孵化器だろう。孵化器があればパラレルに卵を孵せる=星の砂が余分に手に入る。

・昨日まで知らなかったが、@tdtdsが昨日FBで書いていたAndroidのピン留めはポケモンGOやるには必須(こんな便利なものがあるのに気づかずに、しょっちゅう余分なものが起動したりして閉口していた)。(追記:Androidの「画面のピン留め」機能でポケモンGOが捗る。おれの場合、右下の近くにいるポケモンを結構まじめに見るので(精度が良くなった結果、どこで何が出るとどこに行けば良いかのパターンが数種類固定化されているのでえらく便利なのだ)ポケットに入れることはあまりないけどな)

・ジム戦のいちばんのおもしろさは、2ジム目に送り込むまでのスリルだ。

・お香は歩かないと意味ない(家の周りにはポケモンが出ないので試しに焚いてみたが出ない場所には出ないとしか考えにくいことになって、結局10分くらいして外に出ていつものコースに向かったら確かに頻度と数が増していた)

・しあわせたまごとお香は怖い。何気なく持ち物リストで触ると(スクロールしようとスワイプしたら、スワイプにならずにタップになってしまうと)転がり出る。なんとなく、そこで画面外にスワイプすると中止になるだろうと考えると有効化される(最初の流れでスクロールのためにスワイプしているつもりで有効化してしまったことが数回ある)。しあわせたまごが有効化されるとどうしようもないので、目についた飴が余分にあるポケモンを進化させまくることになる。対水系の主役のナッシーはこのときに作られたようだ。

・進化させまくった連中で兵隊やくざというか、はぐれもの小隊みたいなものを組んでジム戦をやらせると意外に強かったりしておもしろい。ゴルバット2匹でCP1800クラスのカビゴンを葬り去ったのには驚いた(悪の小技のかみつくが有効打になり、そのカビゴンの小技があまり効かなかったっぽいのだが、よくわからん)。ピジョット戦隊もなかなか楽しい(シャワーズには瞬殺されるが、ナッシーには勝てる)。


・ジムには2種類あって、それぞれの難易度が違う。1つは多分グループで保守しているジムで、見るとちゃんと弱い→強いとなっている。このタイプのジムが同じチームだと、それなりにレベルアップに貢献したりできて良い(うまくレベルアップできると、こちらのポケモンを突っ込める)。一方もう1つは一匹狼の集合で、空いた瞬間に全員がそれなりの上位ポケモンを送り込むため、1700、1900、2100みたいな3匹が守っていたりすることになる(ひどいときは全部のポケモンが2000オーバーだったりする)。で、攻撃する場合、こういうのには勝てるのだが(個別レベルで撃破すれば良い)、同一チームの場合はどうにもならない(そのため、結果的に敵にどんどんレベルダウンされてすぐに入れ替わる)。

・で、ゴールドを得るにはジムにポケモンを送り込めば良いということがわかったのは、割と最近で(それまで何か勘違いしていて24時間保守するとご褒美がもらえるのだと思っていた)、最初は送り込んだ瞬間に10ゴールドを得ていたが、ちょっと考えてみた。

・移動が5分程度の2つのジムであれば、どうにかなるのではないだろうか?

・そこで最初、夜中に比較的近い場所の2つのジムを選択して試してみた。余裕で20ゴールドゲットだぜ(星の砂が1000になるのが大きい)。

・きっと真夜中であれば、もっと行けそうな気がするが、それは面倒なのでやらない。

・マップを見ると、意外と近くに2つのジムがあり、3分あれば移動できる。そこで、試しにやってみた。まず最初のジムを攻略して(あるいは空いた瞬間を見計らって)それなりの強さのやつを送り込む。ダッシュで2つ目のジムに行く。そして押し込む。

・で、この時間をいつとるかが重要だったりする。

・青山一丁目のマップを見ていると、伝統工芸センター、赤坂図書館脇、東宮御所の3か所が比較的近い。15分あれば回れる。見ると伝統工芸センターはグレーになってるじゃん。そこで地下鉄を青山一丁目で降りてみた。伝統工芸センターへ向かう。と、びっくり、大激戦区で、次々と赤、青、黄と入れ替わる。とはいえ、一度一座建立すれば陥落まで3~5分はかかる。3か所攻略は無理でも、赤坂図書館との2か所攻略はどうにかなりそうだ。

・そこで赤を叩きのめして、クローズした瞬間にクリックしようとすると目の前で黄色く変わる。あわてて全員キズ薬で治して再バトルしようとしたら、目の前で青くなった。すかさず送り込もうとしたら赤になる、というようなことをやりながら、どうにか送り込むことに成功した。ダッシュで赤坂図書館へ向かう。郵便局脇の信号が長い。長すぎる。つい画面をのぞき込みたくなるが(色が変わっていないか)、なんとなくロトの妻を思い出して我慢する(なぜ、こんなところで聖書に影響されるのだろう?)。信号を待ちながら主要部隊のキズチェックや現在のジムのポケモン構成から部隊編成を構築したりする。そして、信号が変わると同時にダッシュだ。が、GPSがおかしい。明らかにこの場所にジムが建っているはずなのに、もっと近づけとか言われる。どこだ? どこにある? うろうろしながら時間が過ぎる。やっと、見つけて、ガンガン叩きのめして、送り届けて、すぐさまアバターボタンをクリックして続けてピカチューをクリック(が、スマホの長さからちょうど難しい位置にあって、少しスクロールする必要がある)、右上の盾を見るとやったー2とあるぞ。すぐさまクリックして20ゴールドと1000星の砂をゲット。

・ただ、なんとなくだが、陥落してから数分はマージンがあるような気がする。ただし盾が無効な期間は陥落、即返却されるので(チェックした)、実際のところはわからない。

・21時間という時間設定はおれの役には立っていないがおもしろい。どうしても時間が日課的になるので24時間周期になるのだが、本来であれば21時間経過したらすぐに攻略したくなるからするのだろう。すると、3時間のずれは、異なる客層によるジムリーダーの選択したポケモンとのバトルになるに違いない。時間のずれが多様性(ゲームとしては不確定性の一種にカウントできると思う)を産む。まあ、勤め人には無理っぽい配慮ではあるが、やはりおもしろい。


・地下鉄でポケモンGOをやっていると、GPSを探して異常になる。が、WiFiを有効化しておくと結構な頻度で正しく掴めることがわかった(GPSが読めているっぽい駅もある)。駅のWiFiサービスをジオサービスが利用して位置を返しているのだと思う。

・ということもあって移動中は通常、前回の駅の周囲のマップが使えるのだが、時たま、まったく関係ない地区になることがある。砧公園とか、板橋のほうとか。

・この風景はなんだろう? 唐突にまったく知らない世界がマップに展開される。

・グーグルストカーはSSIDも収集してジオサービスに利用していたはずだ。

・もし、モバイルルータのSSIDがたまたま収集されてジオサービスにその位置で固定されたとする。

・もしかして、WiFiをオンにしているから、そういった周囲のモバイルルータのSSIDがジオサービスに渡って、確からしさの判定結果(複数、同一地域の連中が乗っているとか)そのモバイルルータの持ち主の居住区域がマップされたのかも知れない。


・ジオサービスと言えば、ポケモンがボールから逃げた瞬間に、再度位置情報をチェックしなおして、最初の発見地域から異様に離れていないことを継続条件に入れているのではないか? と推測している。

・GPSのぶれでずれたり、あるいは捕まえている最中も歩き続けて結構な距離を進んだ場合、それから地下鉄で次の駅へ来たような場合、もしポケモンがボールから逃げ出すと、確実に消失するからだ(掴まえた場合は問題ないが、そもそも大きく移動した(みなされた)場合には捕まえられた記憶がない)。


・一度だけ、商店街を歩いていて何気なく画面を見たら(振動がなかったので、おそらくポケストップを確認しようとしたのだと思う)、アバターにポニータがからみついている。

・思わず、後ろを振り返った。なんとなくポニータが近寄っているような気がしたからだ(現実感の異常拡張)。

・この感覚はおもしろかった。

・それに対して、現実世界にジムのタワーが建っているように感じることは時たまある。特に上で書いた青山一丁目作戦のときの信号待ちでは後ろを振り返ると煙を吹いてジムが陥落して色が変わる姿が見えるような現実の異常拡張感覚に襲われそうになった(大げさだけどな)。

・あるいは一時のマップから道が消えた時期は、アスファルトが草原に変わってポケモンが群れ飛ぶ世界に現実が変容するような気分を思考として味わって楽しむことができた(こちらは感覚の拡張ではなく思考の範囲内)。


2016-08-21

_ チェブラーシカなど

ユーロスペースで、『チェブラーシカ動物園へ行く』と『ちえりとチェリー』。

目当てはチェブラーシカのほうだが、どちらも中村誠という人の作品。とは言ってもチェブラーシカはチェブラーシカだった(が、なんか意地悪婆さんの意地悪が甘く感じた)。

ゲーナさんが変な客の要求に合わせてポーズを取っているすきに帽子を盗まれたせいで風邪をひいてしまう。そのことを守衛に話に来たチェブラーシカだが、ワニの不在をライオンやらキリンやらみんな困っている(で、キリンがライオンにあんたが代わりにワニをやったら? と聞て、そんなことしたらライオンがいないことになるじゃないかと答える)のを聞いて、では僕がワニをやるよ、ということでゲーナの代役をやることになる。なぜかキリンだけ全裸で通勤しているのがおもしろい(他の動物と違って2足歩行すると首の長さが気持ち悪くなるか、または画面構成が取れなくなるからかな)。

なんか良い雰囲気なのは、写生に来た小学生の集団がみんなでチェブラーシカの絵を書いて教師に提出すると、教師が戸惑った挙句に、みんながこれをワニだというのなら信じるよ、とOKを出すところ。良い教師だ(次の日にはさすがにおかしいと考えて、生徒を連れて動物園へ行くことになる)。

それにしても、ゲーナとチェブラーシカの関係は不思議なバランスだ。父親と子供のようでもある(特に最後の家族団らんで、シャボン玉とチェスを同時にするところ)。部屋の壁には、小学生が書いた写生の絵がピン留めされている(と思う。確か最初のうちは部屋にそんな絵は無かったような気がする)。

で、まあ、チェブラーシカだったなぁと満足したところで、ちえりとチェリーが始まるのだが、うーん、これは微妙な作品だ。

孤独な少女のステレオタイプ(それはまあ良い)が、田舎へ母親に連れられてきて、親戚の子供たちと対立して、なんか気が強く口が悪い(折り合いが取れないのだ)、とまるで思い出のマーニーの簡略版みたいな様相なのだ(マーニーの場合、対立する子供は親戚ではないが)。簡略版なのはもともと尺が短いからなのだが、そのせいで極端なエピソードで進めるため、なんか出来の悪いマーニーみたいに見えてくる。

思い出のマーニー [DVD](米林宏昌)

(おれは好きな作品だな)

部分部分でおやっと感じる表現があって、それは手の動きの美しさ(が不気味の谷に少し落ちかけている)で、ほつれた縫いぐるみのチェリーをちえりが縫うところとか、あと忘れてしまったが妙に白い手が画面上の主となる箇所あたりだ。

天井のカラスに見える浸みとか、縁の下への探検とか、土蔵とか、家の空間描写とか、印象的なシーンはある。

ターゲットが見えなさすぎるのが違和感の一番の原因のようだ。

多分小学校低学年以下としているのだとは思うのだが、それにしてはどうもおっかなすぎるところがあるように感じるし、それより上の世代とすると、マーニーがこけたように元々映画向きの題材とは思えないので何か今ひとつしっくりこないし、大人向けにしてはステレオタイプの度が過ぎて今二つ感がある(しらけてしまうのだ)。

まあ、そうは言っても思わず涙の一筋くらいは零れ出る程度にはタイミング良く決めのセリフを出したりはしている。

子供が後になって、飯を食いながら、母親と叔母さんで、造形はほとんど同じなのに、遥かに叔母さんのほうが可愛く見えるのはどうしてだろう? と不思議がっていたが、おれが気になった手の表現もそうだが、話よりも人形アニメとしての造形のほうが興味深い作品だったように思う。

・最後の主題歌が気持ち悪かった。


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