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日々の破片

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2007-07-29

_ アマゾンのクラシック検索用キーワード登録はおかしい

たとえば、今、「ボエーム」を検索したら次のCDが174位だった。

プッチーニ : 歌劇「ボエーム」(全曲)(NBC交響楽団/アルバネーゼ(リチア)/ピーター・ウィロウスキー指揮合唱団/マックナイト(アン)/バッカローニ(サルバトーレ)/モスコーナ(ニコラ)/バレンティーノ(フランチェスコ)/チェハノフスキー(ジョージ)/メリル(ロバート)/ピアース(ジャン))

定価で3000円だ。もちろんこれを買うわけだが(一仕事、片がほぼついたので甘い飴)、

プッチーニ:歌劇「ボエーム」(全曲)(NBC交響楽団/プッチーニ/トスカニーニ(アルトゥーロ)/アルバネーゼ(リチア)/マックナイト(アン)/バッカローニ(サルバトーレ)/モスコーナ(ニコラ)/バレンティーノ(フランチェスコ)/チェハノフスキー(ジョージ)/ピアース(ジャン))

これが、71位。ユースト価格のプレミア付きで12800円。それだけの価値はあるとは思うが、3000円で同じものが買えるのにそれはないだろう。

(というか、本よりも背取り屋的には、こっちのほうが、こういうわながいっぱいあるから、うまく検索キーワードを入れたら儲かると思う)

というか、なぜ、どっちもキーワードに「トスカニーニ」を入れてないんだ? 71位のほうはNBC交響楽団とあるから、ヒントにはなる(というか、NBCはトスカニーニのある意味専属楽団だから迷いようがないから良いとして)けど。

と、なぜか突然、トスカニーニ旋風が吹き荒れている今日この頃なのは、カイルベルトを聴いてるうちに、(ヴィンラントワグナー曰くの)ラテン風の再評価が始まってしまったからだ。それくらいあのニーベルングの指輪は良かった。

ワーグナー:ニーベルングの指環 全曲(ワーグナー/カイルベルト(ヨーゼフ)/バイロイト祝祭合唱団/ヴァルナイ(アストリッド)/ホッター(ハンス)/ヴィントガッセン(ヴォルフガング)/ウーデ(ヘルマン)/ボロタイン(ミナ)/グラインドル(ヨーゼフ)/イロスファイ(マリア・フォン))

(というか、在庫切れか。250万円くらいでなら売っても良いかな)

Ring From Bayreuth 1952(Wagner/Keilberth)(でも輸入盤なら35000円だ)

で、来日公演の録音をNHKが放出したブラームスの4番を買っちまった。

ブラームス:交響曲第4番(カイルベルト(ヨゼフ)/R.シュトラウス/ブラームス/ワーグナー/バンベルク交響楽団)

颯爽というか、軽快というか、それでいてベルリンみたいに極端にうまいわけではないので(極端にうまいと、ヴァイオリンとか厚みがある1本の線に聴こえるわけだが、カラヤンの晩年のベートーヴェン全集とか)木みたいな感じで(引っ掛かりがあるといえば良いのか)、心地よい。というか、好きだな。軽いんだな。軽いのだが、音色は渋いから、そのバランスが実に心地よい。(マイスタージンガーもすごくいいのだが、やはりテンポが大きい)

(ライナーのバンベルク交響楽団(元ドイツ交響楽団)の数奇な運命もおもしろかった。というか、絵に描いたような数奇な運命だ)

でも、考えてみれば、中学高校のころからの習慣で、ずーとロマンティクな演奏が好きだったわけで、たとえば、バルビローリとウィーンとか。

ブラームス:交響曲第4番(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/ブラームス/バルビローリ(ジョン))

耽美派だ。

でも、嗜好が変わって来たのかも。あるいは、こういうのも年を取るってことなのかな?

同じブラームス4番の第1楽章が、バルビローリが13'58''で振ってるのをカイルベルトは12'24''で振っている。13分の曲で1.5分速いってのがどれだけの差で聴こえるかわかる人はわかるが、そりゃ全然違う曲だ。同じ飲み物でも、マックシェイクと麦茶くらい違う。

で、つらつら考えるに、こういう演奏は以前耳にしたことがあるなぁと。

で、思い出したのが、クラシック聴き始めのころに良く聴いていたボストンとミュンシュのメンデルスゾーンだ。

メンデルスゾーン:交響曲第3番&第4番(メンデルスゾーン/ミュンシュ(シャルル)/ボストン交響楽団/ボストン交響楽団 ミュンシュ(シャルル))

へー、まだ売ってるんだ。ミュンシュはくせがあるけど、やはり颯爽としてた。というか、あの頃のアメリカの楽団は、バーンスタインのニューヨーク(元を正せば、きっとワルターとコロンビアということになりそうな)を除けば、(オーマンディのフィラデルフィアはまたちょっと違うかも。でも大筋では同じ流儀)クリーブランドのセル、シカゴのライナー、デトロイトのドラティ、思えばあの連中(50〜60年代にアメリカのオーケストラを世界水準に持ち上げた連中)、遅れてショルティもそうだな、のスタイルというのは、みんな、こんな感じだった。こんな感じというのは、新古典主義とひとくくりにされるやつ。インテンポ(でも実は違う)で速め。ヴァイオリンを鳴かせたりはしない。そのスタイルの中で圧倒的だったのが晩年にはgdgdなgodになるベームだったわけだが(なぜ、おれはそういうのを知ってるのかというと、ちょうど聴き始めたころに、そのあたりの連中の録音が軒並み廉価版落ちして入手しやすかったからなのであった。普通のLPが2500円のときに、廉価版は1200円で中古だと100〜300円くらい)。

でもなぜなんだろう?

アメリカは伝統が無いからか? 録音向け? でもそれならストコフスキースタイルになりそうなもんだが……で、すっかり念頭になかった大人物を思い出したのであった。つまりトスカニーニ。欧州がフルトヴェングラー帝国だったころに、新大陸にトスカニーニ政権を樹立したってことか。

あ、「ラテン風」ってもしかしたら、そういう意味なのか?

で、なぜ好きじゃなかったというか、念頭にないかといえば嫌いだったからだ。テンポが速すぎるじゃん。

でも、今だったら違う印象になりそうな印象。

そこで、無難な線のを買って聴いた。

チャイコフスキー : ピアノ協奏曲第1番 / ブラームス : ピアノ協奏曲第2番(ホロヴィッツ(ウラジミール)/チャイコフスキー/ブラームス/トスカニーニ(アルトゥーロ)/NBC交響楽団)

速いよ。チャイコフスキーの1番の第1楽章が17'32''だ。いきなり鬼のように速い。ホロヴィッツはそれにしてもちゃんと追随してるのだがそれでも最初のところはいきなり濁る(ホロヴィッツ主導というこたないだろうと思う)けど剛腕だなぁ、というかNBCもうまいわけか(ディナミークは直線的だけど、わざとそうしてるのかも)。歌は歌だし。第1楽章の展開部の終わりのあたり、きれいに歌わせてるし(速度的な感覚を麻痺させられるからかも知れないが、結局、全体が速過ぎるのでちょっとしたルバートが実に甘美に感じるわけだと思う)。

ちなみに、ワルター、ホロヴィッツ、アムステルダムコンセルトヘボウの神録音(1944ライブ)だと18'50''と、1'20''遅いし、おそらくホロヴィッツもこっちのほうが自由な感じ(この組み合わせが、ライブだとは、1944年のヨーロッパって実は余裕たっぷりだったんじゃないかという気がするのであった)。

もう一度、このLPを聴きたいなぁ。音はお話にならんけど。というか、こういう演奏が残ること考えると、あながち(JASRACな別の話)。

というわけで、トスカニーニの再評価をするなら、やはりおれの好きな曲、やつの得意なジャンル、やつの友達の曲、やつが初演した曲を聴かなきゃな、というわけで、ボエームを買うのであった。


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