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日々の破片

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2007-10-27

_ きれいなカイジ

なんだそれ?

_ 真夏の夜の夢

子供が観たいと言うので、正直、あまり興味はなかったが、東京バレエ団の公演に行った。

いや、びっくり、こんなおもしろいとは。

もちろんメンデルスゾーンの音楽がすばらしいのはわかっているが(好みかどうかは別として)。

メンデルスゾーン : 劇音楽「真夏の夜の夢」 (抜粋) / 交響曲第4番イ長調「イタリア」(マクネアー(シルヴィア))

(これ、アバードが指揮してるんだから、そう書けよ)

あるいは、ドイツのちょっと頭がおかしいらしいけどあのインテンポな固さからは想像し難い人とイギリスのオーケストラの組み合わせとか

メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」(クレンペラー(オットー))

まあ、いいんだけど、それとバレエとは別の話だ。

が、舞台良ければ衣装良し、踊りよければすべて良し、だった。

特にタイタニアを踊ったロンドンの人(コジョカル)がびっくりするくらい軽い動きで(宙で1回パウゼが入るんだけど、バレエのあの固有の動作はなんていうんだろう?)代役のオベロン(マックレーという人)ともども、本当に妖精みたいで、おおバレエですなぁという観ていて感じる幸福感。村の4人組も良い感じで、パックは洒脱、舞台も良かったが、メタな部分でも1時間という時間といい、音楽のつなげかたといい、作品としても非常に巧妙なものだ。

そういえば、以前、シネマライズでリンゼイケンプの映画のやつを観たが、あれは退屈だったな、とか思い出したけど。

ところで、ロバとタイタニアは一緒に寝室に入っていくわけだが、あれはやはりそういうもんなのだろうか? 時々、寝室の窓から助けを求めるロバの首が浮かび上がるんだけど、一体いかなる秘儀があの中で行われているんだろうか? という読み方をするものなのかな?

というのも含めて、舞台から読み取れる物語としてはパックは単なる粗忽もので、4人の恋の仲立ちを司るのは最初からオベロンなわけだが(そもそもタイタニアと喧嘩する理由はなんなんだろう? 観てる限りでは、オベロンが取替えっ子なんて野蛮なことせずに家に返せと主張するのに対して、妖精軍団とタイタニアがいやなこったをしてる図式に見えたけど)、妙にオベロンが高みに独りでいるようでそういうお話なのかとか疑問に感じた。なんか、パックが(あたかもハックルベリイフィンの最後のあたりでトムソーヤが爆発するとこみたいに)ひとりで舞台を回転させて大暴れするようなイメージがあったんだが、全然違うなぁ。で、おれはそういうのは嫌いなので、まったく良かったのだが。

という具合に作品としても気に入ったので、こいつを買おうかな?

The Dream 真夏の夜の夢 [DVD](アメリカン・バレエ・シアター)

いや、その前に、元ネタをきちんと読みたい気もする(読んだはずだが、ヘンリー4世、リチャード3世とかと違ってまったく覚えてない)。

夏の夜の夢 (白水Uブックス (12))(ウィリアム・シェイクスピア)

(おれは小田島が好み)

それにしても、夏至の夜の夢と改題するならともかく、単なる夏の夜の夢とする勤勉で厳格な人たちにはうんざりする。真夏の真がもっとも日が長い、真ん中の真だと想像/想定するほうが、よほど良い。真を取ったらますます8月あたりの暑い夜の意味になってしまうじゃないか。


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