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日々の破片

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2007-12-12

_ マネーボール

以前、moleskinさんのを読んで、こりゃおもしろそうだな、と買ったものの、ずっと手付かずで放っておいたマネーボールを読み終えた。読み始めるとあっと言うまだ。つまりどえらくおもしろかった。

マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)(マイケル・ルイス/中山 宥)

この本に書かれているのは、それまで着目されていた点(たとえば、剛速球を投げるとか、脚が速いとか)ではなく、純粋に得点を取るために着目すべき数値データ(たとえば出塁率)のみを優先することで、不人気な、したがって年俸が低く獲得競争に巻き込まれる可能性が低い選手(多くは太っちょ)を集めた球団のサクセスストーリーだ。それを指揮するのは、失敗した元大リーガーのジェネラルマネージャとその良きアシスタントのデータ解析屋(ハーバード卒のビジネスエリート)で、選手に対する予算10倍の球団を打ち負かす。しかも安く雇って人気が出て年俸が上がった選手はトレードに出して収益を上げて、ついでにトレード先で埋もれている安い選手を仕入れる。

−数値化できない、技の世界だとその世界の住人は信じている

−数値化できない以上、データから能力を判断するのは間違いだとその世界の住人は信じている

という状況で、主役のアスレチックスのビリービーンとポールデポデスタの2人は実際に、その数値化というものを武器に安い人材で圧倒的な成果を上げるのだが、ベースボール界ではごく一部の例外を除いて、その経営手法はまったく相手にされない(そのおかげで安い買い物ができる)。

で、その数値化のためにはデータが必要なわけだが、そこに稀代のデータ魔のような人物がいるのが、野球の不思議なところでもある。不思議なスポーツだな。

で、さらにこの本がおもしろいところは、本書の付録(ペーパーバック版への後書きという後日談)にも書かれているが、自分のビジネスに引き寄せて考えたくなる点だろう(しかし、ほとんどの野球人だけはそうは考えないというという点も含めて)。野球はルールが決定されているというのがこの手法が成功している重要なファクターのような気がするが、それを無視して敷衍して考えたくなる魅力があるのだが、それについては作者の書き方がうまいせいではないかという気もする。


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