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日々の破片

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2008-02-12

_ 微妙なシャリシャリ

iPod touchを音楽プレイヤーとしてまったく利用していないことに気づき、たまにはこれを使ってみるかと試してみたら、付属のイヤホンが最低なことに気づく。というか、左の耳から落ちるんですが。15Gとかシャッフルのイヤホンではそんなこた起きたためしがないのだが(黒いすぐ伸びるクッションの有無にかかわらず)、touchのやつは微妙に形状が違うのが、おれには合わないらしい。

で、あとで書く映画を観終わってから、その足でビックカメラへ行き、適当な値段のやつを購入。CD1枚と同じくらいの値段で良いだろうと、適当にさがして、ソニーは嫌いだし……とか見ていくと、オーディオテクニカのやつがあって、そういや昔ここのレコードクリーナー買ったなぁとか思いながら2480円のやつをポイントで買った。

audio-technica 密閉型インナーイヤーヘッドホン ATH-CK51 BK

で、店の人に頼んで中身だけもらって早速使うと、耳にはフィットして良い感じなのは良いけれど、シャカシャカシャカシャカ妙に高音ばっかり強調されてびっくり仰天、こりゃひでぇ(たしか、このときはスタイルカウンシルがかかっていたような)。まるで、地下鉄で隣に座ったどでかい音で聴いてるやつの耳から漏れてくる音を聴かされているような感じだ。しかも低音がない。

で、アマゾンのカスタマレビューでもそう書かれているから、別におれの耳が変になったわけじゃなさそうだ。

しかし買ったものを捨てるのもしゃくなので、耳を馴らそうと(耳は慣れるからな)ずっといろいろ聴いていたら、妙にボウイのスケアリーモンスターズの楽曲が良く聴こえることを発見した。

スケアリー・モンスターズ(紙ジャケット仕様)(デヴィッド・ボウイ)

とにかく、ロバートフリップのギターが良く伸びる。しかも空間的な広がりがでかいのなんのって。ティーンエイジワイルドライフって、(好きな曲だが)こんなに良い曲だったっけ? というような感じだ。

Bowie and Audio-Technica ATH-CK51

いや、というか、ボウイの声も良く伸びて気持ちいいぞ(ヒーザンも良く聴こえる)。

特定の音域の偏りとか、AAC(ボウイはAAC128で入れた覚えがある)とMP3の差とかもあるのかなぁとか、いろいろ思うところもあるが、これだけ聴こえ方にばらつきがあるということは、よくも悪くも癖があるということなんだろうな、とオーディオの奥の深き闇におののくのであった。

#Ziggy Stardustのスネアはだめだ。すげぇ耳につく。これもAAC128なんだが。

_ ボリシェビキを観に行ったらエスエルを観ることになった件

ソコロフのタウロスを観ようと朝も早く11時開演の回めざしてラブホテル街を朝帰りのカップルの群れをかきわけながら、ユーロスペースへ向かった。

レーニン (光文社古典新訳文庫)(レフ・トロツキー/森田 成也)

ソコロフの描くレーニン最期の1日に胸が躍るぜ。

しかし、なんてこった。

タウロスじゃなくて、蒼ざめた馬とか書いてあるぞ。ソコロフのロープシンとは! とびっくりしたもののすぐに目が覚めた。全然関係ない「ロシアの有名な監督」としか情報が書いてない聞いたこともない監督の作品の特別上映になってるじゃんか。モーニングショーって時間じゃないだろう。

(一緒に掴まされた、上映レポートが必要な作品なんだろうか?)

でも、まあ、しょうがないから観ることにした。

蒼ざめた馬 漆黒の馬(ロープシン/工藤 正廣)

実はおれは、左翼エスエルにはちょっとうるさい。ましてサヴィンコフについてはちょっとした研究家だと言っても良い。さらにロシアテロリズムの系譜についてもなかなか詳しい。レーニンの兄貴がニコライ2世を爆殺したことはこないだのことのように鮮明に覚えているわけはないが。(突然思い出したがヴェーラザスリッチの本はどこへ行ってしまったんだろう?――気になって調べたらヴェーラ違いのフィグネルの本で、ちゃんと取ってあった)

したがって、へなちょこな映画だったら途中で出るつもりだ。

で、始まるとモスフィルムだということがわかる(ロシア語のアルファベットは読めるからだけど)。じゃあ、聞いたことない監督なのもしょうがない。ご他聞に洩れずレンフィルムしか追ってないからだ。

うーん。

で、地方の城館を訪ねる女性。侯爵夫人が閣下に陳情に来ましたことよ、と列に割り込み、いきなり長官を射殺するところから始まる。要人を暗殺した瞬間に群衆に殴り殺されてホルマリン漬けの首となって公開されるテロリスト(カメラに向かっておどける役人――と、往年のニュースフィルムのパスティーシュ)、炸裂する爆裂弾。

簡単なテロルの歴史の説明。

良いテンポで物語の舞台背景が描かれ、いよいよフレンチカンカンが鳴り響くカフェにカメラは向う。

見るからにワーニャなワーニャ。

どうみても二重スパイのアゼフ。

確かに、これがジョージだろうなのロープシン。

(それにつけてもロシアの役者の層の厚さにはいつも驚かされる。常に適役がいるものだ)

エレナは鼻から薬を吸い、信管を作成する。

(爆裂弾ってのは、爆殺した後に捕まるかどうかより前に、製作から運搬のすべての工程で死と隣り合わせだということが映像で告げられる。これは良い映画だ)

馬車の中の子供と眼が合い、爆裂弾を引っ込めるワーニャ。

びびるハインリヒ。

だが、名前忘れたが無産階級は敢然と馬車にしがみつき爆裂弾を放り投げる。しかし、不発だ。逃走。自殺。

エレナとイレーヌじゃないな、名前忘れた軍人の奥さん。

2回目の計画のために戻ったモスクワでのエレナについてのモノローグ。ワーニャの爆死と手足がもぎれた群衆、オペラハウス2階での大公の銃殺から、軍人との決闘まで、ていねいに物語が追われるが、まったくもたつかない。

確かに、腕の良い職人監督の技だ。

最後(あたかもアニマルハウス風だが、もちろんオリジナルもそうだ)、ハインリヒが銃殺され、エレナは爆裂弾の調合(あるいは信管の作成)に失敗して爆死し200m先まで吹き飛んだ手から身元が割れ、アゼフは逃亡先で監禁され寝台から暗い目つきでこちらを睨み、そしてジョージ(ロープシン=サヴィンコフ)は5階の窓から投げ出され、舗道の上で血を流して死ぬ。(踊り場じゃなかったっけ?)

ここ数10年、(娯楽映画は別として文芸的な)物語の映画は観ていなかったが、良い映画は良い映画だった。

でも、ソコロフが観たいわけだが。


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