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日々の破片

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2010-04-20

_ 植民地経営を考えてみる

スラドの何かを眺めていたら、大東島というのに対する言及があって、はてなんのことやらと、とりあえずぐぐるしたらウィキペディアかが出てきて、それでも嘘は少なそうなので、いろいろ考えた。

というのと、子供がなんだかローマの歴史に興味をもったおとかいい出したものの、やる夫で学ぶパックスロマーナとか書いてやっている暇はないから、モンタネッリのやつを貸してやった。

ローマの歴史 (中公文庫)(I. モンタネッリ)

(簡潔にして明快、読みやすく愉しい、これぞ読書の醍醐味のような本。中央公論社は実に良い仕事をすると思う。それにしてもアマゾン評もやたら高評価なのばかりだな。みんなの意見はあながち間違ってないようだ。一人だけ、これは歴史学者による歴史書ではないというそれはなんというか鳥肌実の芸を観てこれは政治家による政策論議ではないというようなことを書いているやつがいるけど、歴史というものを根本から理解していないようで不思議になる)

が、なぜか食卓に出しっぱなしになっていたので、つい飯を食いながら四読目くらいをしていて、ハンニバル後のローマの状況が、ある程度かさなる。

ローマのほうは、ハンニバル後、ばかみたいな覇権を握ったために、地方(ったって、スペインや北アフリカとかも含む)から安価な農産物がばかばか輸入できるようになった。このためローマの農産物の価格は極端にデフレとなり、結果的にローマを守ってきた軍団の元であるイタリア農民の没落がすごい勢いで進行、食えないので土地を手放すやつが続出、当然、その土地を買い捲る権勢が登場、権勢はしかしローマで経営するだけで郷士とはならない、かくして地方の極度の衰退が始まる。

つまり、ローマは植民地経営に失敗して、本土を衰えさせた。にも関わらずローマ人はおいしい食い物を安価にたらふく食えるので問題点に気づくのが遅れた。

一方、大東島は(というか薩摩藩がそうだったように)正しい植民地経営を行う。具体的には、必需品は作らせず、砂糖特化の農業経営を行わせる。農民は必需品(米、ミソ、醤油、衣類、なんでもだ)をすべて植民地外からの供給にたよらざるを得ず、つまりは植民地経営者の思いのままになる。

キューバが、いかに砂糖キビ依存から抜け出すために苦労したかとか、コンゴといえばベルギー、ベルギーといえばチョコレート、カカオ依存の農業からどれだけ(ということもないかも。要は必需品を確保した上で輸出品を作れば植民地は独立を保てる可能性があり、逆に本土では植民地からは奢侈品のみを輸入すれば本土の労働市場を破壊しなくても済む)。

そこで、日本はどこかの植民地か? とまず考える。

とりあえず米は取れる。野菜も取れる。でも野菜は中国からの輸入に相当押されているなぁ、というか、米の輸入を認めないのはそこを生命線として押さえているのだな、となんとなく想像がつく。自給率がどうこうという話ではない。

それほど状況は悪くはないな、と考える。

でも最初に書こうと思っていたのは、プログラミング言語とそれのジャンルの話だったのだ、と自分のためにメモ。


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