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日々の破片

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著作一覧

2010-11-20

_ 粘膜人間

Twitterでma2さんが最近読んでる本として挙げてくれた粘膜人間を読了。

粘膜人間 (角川ホラー文庫)(飴村 行)

うーん、なんというか、どんどん読めるぐいぐい読める、後に残るは時間の経過というか、まるでファストフードみたいな本だなぁ。

どんどん読めるぐいぐい読めるっていう意味ではつまらなくもなければ退屈でもない、つまりはおもしろいのだが、なんというか感興ってのが湧かない。

色っぽい描写もあるのだが少しもエロティックじゃないし、暴力がばしばし振るわれるのだがまったく恐怖はない。なんなんだろうか?

選評が収録されていて荒俣宏がこういうのが今様なんだろうなぁとか書いているが、きっとそうなんだろう。ヴィッテプロプル。

という意味ではおれはいろいろ面白い移り変わりを楽しめて来たのだろう。

でももしかすると単に年を取って擦れただけなのかも。そういえば昨日子供に借りて魍魎の匣の最終巻を読んだが、博士や京極堂が何か言うたびに小説家だのその他の登場人物たちが妙におののくのですごく違和感があったが(腰かけている箱が臓器だからといってなんでそれに動じるのかとかいろいろ)、それはおれがすれてしまっているからなのかも知れない……かなぁ。

魍魎の匣 (5) (怪COMIC)(志水 アキ/京極 夏彦)

でもやっぱり時代精神の変遷ってやつだと思うのだ。

最初はホラーってのは本当におっかなかった。

こんな感じだ。

異形の白昼 (集英社文庫)(筒井 康隆)

それがいつの間にか恐ろしいということは爆笑に変わった。怖ければ怖いほど可笑しい。

こんな感じだ。

懲戒の部屋―自選ホラー傑作集〈1〉 (新潮文庫)(筒井 康隆)

(走る取的)

それがホラーってのはファストでクリーンなものに変質した。

こんな感じだ(そのてので最初に読んだやつ)。

シンプル・プラン (扶桑社ミステリー)(スコット・B. スミス/Scott B. Smith/近藤 純夫)

それが、いきついた先なのだろう。

おそらく想像するに心の闇というものが普遍的な認識となり、誰もが当然のように深い闇を持つにいたれば、そのようなものに恐怖はなくなり、ただただクリーンでシンプルなものこそが恐怖となる、ということなのかも知れない。

現実の世界でせめて殺してからにしてくださいと喚く人間の首を電動のこぎりで切り落とした奴が罪に問われるってことがニュースで流れるわけだから、せめて仮想な世界はクリーンでありたいってことなんだろうな。


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