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日々の破片

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2013-08-13

_ ネットワークの未来がここにあるのかな?

アスキーの鈴木さんから頂いたOpenFlow入門を読み終わった。正直なところ混乱している。なんだこれ?

というわけで、OpenFlowな人が読むとでたらめを書いている可能性もあるので、ツッコミは歓迎します。

OpenFlowというのはネットワークスイッチを制御するためのプロトコルで、『スイッチ』に対して『コントローラ』からMACアドレス(レイヤ2)、IP(レイヤ3)、TCP/UDPポート(レイヤ4)をパラメータとしてフォワードやドロップを指示することができる。このOpenFlowを喋れるスイッチとコントローラで構成されたネットワークがOpenFlowネットワーク、1つのコントローラ配下のスイッチとホストで構築されたセグメントをOpenFlow Islandと呼ぶ。

で?

なんか、OSPFARPをゼロから再構築するのに使えるとしてもそれが何か? という感じだ。

その一方で、読み終わった印象からは、何かそこに良いものがありそうな感触も受ける。例えるならば、1940年代に軍でミサイルの弾道計算サイエンティスト(データサイエンティストという言い方でサイエンティストが使えるのなら、こんな使い方もあるのではないだろうか)していた人が、配線を変えるとコンピュータで弾道計算以外のこともできるよ、配線の変え方を規格化しつつあるよ、と書いた本を読んだ状態だ。そこには何かすごく未来が見えるような、その一方で、はてそれが一体なんの役に立つのか、卑近な使い道(例:弾道計算の途中経過を取り出すとか)はわからないでもないが、多分そこに何か新しいものがありそうな、しかし弾道計算以外の役に立つと言われてもさっぱりピンと来ないような、そういうもやりもやりしているところ。

次世代ネットワーク制御技術 OpenFlow入門(石井秀治/大山裕泰/河合栄治)

いや、全然わからないわけではない。たとえば数10台のマシンを使って自力でBYNETを構築するのに使えそうかなぁとは思う。ただし、ペイロードには介入できないように見える(というか、ペイロードに介入するネットワーク機器というのは非常にまずいと感じるのでそれで良いのだが)ので、アプリケーション層より下での動作となる。

本書は具体的なOpenFlowフレームワークとしてTremaを使って説明している。著者の一人がTremaのコミッタだからだ。Tremaは添付のソフトウェアスイッチを使ってGNU/Linuxで動かせるので、実際の動作を知りたければ試してみれば良いのだろう(そこで、実際に試さないところが、じじいになるってのはいやなことだということになるわけか……)。Rubyバインディングが1.8.7で1.9は未サポートと書いてあるのにはげんなりした。理由はバイナリデータを扱いまくるのでStringがらみで大変なことになるからだろう。一気に2.0.1に対応させるのが良いのだろうな。

_ 目の前のイノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマの実例というのをいろいろ考えてみる。

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 Harvard business school press(Clayton M. Christensen/伊豆原 弓/玉田 俊平太)

たとえばブラックベリー:業績悪化で身売り検討とか、ノキアがぼろぼろ(例:ノキア子会社、8500人削減 NSN従業員の17%、工場を売却・閉鎖)とかは、イノベーションのジレンマに当てはまるのだろうか?

細かなボタンがいっぱい並び、独自のRTOSの世界だった携帯電話が、Linux+Javaモドキとタッチパネルで置き換えられるというのはイノベーションのジレンマに相当するのだろうか? 中身はARMで別に変わってないじゃんとも言えるけど、携帯電話というパッケージについてはそれっぽく見える。でもノキアはWindows Phoneによってそこそこ巻き返しつつあるようにも見えるのが微妙だ。

微妙なのは、Windows Phoneという点で、この携帯電話のOSに関連するWindows RTが苦戦しているからだ(しかも遥かに絶対的な単価が高価なiPadに対してだ)。どうにも取り外し可能とはいえキーボードを残して、Officeをくっつけている点が、まさにジレンマっぽい。かといって、この2つを取っ払って、デスクトップに一切行けないようにしたら、ますます売れなさそうだ(と感じさせるところが、ますますイノベーションによって駆逐される側っぽい)。

マイクロソフト 9HR-00019

本日のツッコミ(全10件) [ツッコミを入れる]
_ jmuk (2013-08-13 11:37)

根本的に、パソコンvsタブレットが非常に教科書的なイノベーションのジレンマっぽいんですよね……

_ arton (2013-08-13 12:48)

確かにそう見えますね(で、MSもアフタークリステンセンでそのへんはわかっていてSurfaceを出して来たんだろうけど、今現在はだめっぽいのが傍で見ていて気になるところ)。

_ soda (2013-08-13 14:13)

破壊的イノベーションって、安物が高級品を駆逐するって構造なのに、Surface RTって、Nexus 7とかと比べても高いんですもん。あれでは対抗できないでしょう。

_ arton (2013-08-13 14:45)

多分そこではなくて、Surface ProをはじめとするWindowsパソコンに対する破壊的なイノベーションとして持ち出したんじゃないかな。

_ soda (2013-08-13 19:25)

はい。そういう意味だと思います。>Windowsパソコンに対する破壊的イノベーション。<br>Microsoft的には、他社に破壊されるくらいなら自社でやりたいという目論見でSurface RTを出したのでしょうけど、あの価格だと他社に対抗できないので、目論見は成功しないだろうという意味でした。

_ naruse (2013-08-13 20:28)

Surface RT 600 万騎の在庫が本気を出せば Nexus 7 など物の数ではないわ(震え声

_ arton (2013-08-13 20:28)

確かにそうですね。

_ arton (2013-08-13 20:40)

600万か……Amigaが100万台を突破するのに6年以上かかったのに比べるとすごいなあ。

_ otk (2013-08-14 05:28)

OpenFlow(を推進してるところの)真の狙いは脱Ciscoなんでしょうけどね。

_ arton (2013-08-14 10:54)

あーなるほど。その観点はなかったです。ありがとうございます。


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