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日々の破片

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2015-07-26

_ 極上爆音マッドマックス

あまりにアスキーの立川シネマシティの記事がおもしろすぎたので、たまたま立川へ出向く機会があったのを千載一遇のチャンスとばかりに観て来た極上爆音マッドマックス怒りのデス・ロード

入口に張り紙があって、水曜の上映では音出しに失敗したので返金しますとか書いてある。そういうこともあるのかと思うと同時に、音目当てで集客しているのですぞという姿勢に好感度が高まる。期待も高まる。

劇場の中に入るといきなり礼拝堂みたいになっていてちょっと驚いた(けど、そういえば上の記事にも何か書いてあったぞと思い出したというか見直すと写真があった)し、どれどれどれが噂のサブウーファーかと見てみると、意外なほど筐体は小さいが、鳴らなければ真価はわからない。

で始まった。

いやぁおなかが震えましたな。

V8のぶんぶんにしろ六連太鼓のどんどこにしろ来まくる。さすがに中半以降になるとびょんびょん来るのは当然のこととして慣れてしまうが(驚きはなくなるが)実に良い。確かにこれは劇場でなければ得られない体感だなぁ。しかも、企画室長が豪語としている通り、どれだけぶいんぶいん腹に来ていても耳はしっかり音声を聞き取れる。

映画は西部劇のコンテキストなので過去の因縁はぐだぐだ説明せずに幻影(マックスについては)や一言(フィオリサがジョーに放つ)で終わらせるのが実に気持ち良い(ふと気付いたが、荒野のストレンジャーは幻影、ペイルライダーは一言だったような)。

映像は、谷に棲んでいるバイクの連中が襲撃するところで、バイクの連中の視点と関係なく高いところから谷底めがけてカメラが進むところがえらく印象的で、舞台の広さと人間の小ささ(争いの局所さ)の映像的な間合いの撮り方がチェンカイコーの映画みたいで実に気持ちが良い。

というか一瞬だけ映る砦の中の畑のシーンがえらく奥行があって(しかも唯一緑と明るい光で満たされていて)、この一瞬のためだけに用意したのかなぁと不思議に思った(印象的なシーンなのだが、あまり意味がないというか、それとも、約束の地はここにあるということを潜在的に覚えさせておくための仕掛けなのか)。一瞬のための凝ったシーンといえば牧場のシーンもなんか妙に凝っていたような気がする。

それにしても良い音だった。

突然思ったが、クローネンバーグがハワードショアと組んだ一連の映画をこの劇場で観てみたいな。確かハワードショアの音は人を不安にさせる低音の持続が特徴だったような記憶があるからだ。

ビデオ・ドローム [DVD](ジェームズ・ウッズ)

こんなのとかスキャナーズとか。

(ふと気になってハワードショアって何をしているのか調べたら、クローネンバーグとコンビを組んで気持ち悪いが妙に印象的な音楽を作っていた人から、アカデミー賞クラスの大物になっていたのか。というかリングやホビットも手掛けていたとは驚いた。まあ才能がある作家なのは最初の時点から明らかだったし)


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