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日々の破片

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2016-09-11

_ ポケモンGOに見る中堅企業の人事戦略

さて、中堅企業の人事担当なわけだが(ということにする)、何しろ中堅どころなので社員教育に配分するリソースがない。そこで、採用面接のときに手数料を徴収するようにした。とはいえそれほど悪辣なことはしたくないので、面接に要するコストとして辛うじて赤にならない程度のものだ。

手数料には社会人教育(名刺の受け渡しだの、ビジネスメールの書き方だのどうでも良いことなのに、他社との関係で必要となるもの)用のもの(これを飴と呼ぼう)と、労働者としてのスキルアップの技能教育用のもの(これを星の砂と呼ぼう)の2種類を徴収する。どういう仕組みかわからないが、お祈りメールを書くとお礼に飴が1個余分にもらえることになっている。

採用面接には新卒(進化前)と中途(進化後)が来る。

新卒はたいていレベルが低いので伸びしろが見えない。そこでIQとかEQとかいう良くわからないが個人の資質を担当部課のリーダーに判断させる。なぜかこれは正確無比で「芸術的」だの「戦力外」とかジャッジできる。

一方、中途には何をしていたのか全然レベルが低いやつと、やたらとレベルが高いやつの両方が来る。これについてもリーダーが芸術的だの戦力外だのジャッジするわけだが、即戦力性を重視するのでそれほど参考にはしない。

しかし、リソースには限りがある。したがって、中途についてはレベルが高くて高技能持ちについては即採用して実務に投入する。しかし戦力外とされた者については使い捨てにする。つまり、リソース(星の砂)を振り向けたりはしない。ボロボロになったり、ビジネス状況が変化したら、リストラだ(なぜか、このときも飴が1個もらえる)。

「はい次の方」

「新卒のコイキング、CP10です。悪あがきが得意です」

「(小声で隣のリーダーにきく)彼はどうかな?」

「なんと、芸術的です。特に問題解決能力は測定不可能」

「とはいっても、CP10ではなぁ。スキルアップ資金を出せないよ。というわけで、お祈りします」

「はい次の方」

「中途のウツボット。CP1500。ソーラービームが使えます」

「おお、素晴らしい。明日から来てくれたまえ」

「(小声でリーダーがささやく)ちょっと、あれは実戦は難しいですよ」

「何、全体レベルが2000越えになったら辞めてもらうさ」

「はい次の方」

「新卒のタマタマ、CP600です」

「うーん、特技はサイコキネシスなんだね……」

「(リーダーが小声で)ちょっとちょっと、芸術的ですし、CP600ですし、進化すれば(なぜかこの人は社会人研修をこう呼ぶ)ソーラービームを使えるようになるかも知れませんし、絶対採用すべきですよ!」

「内定出します!」

「はい次の方」

「中途のシャワーズ、CP78、ハイドロポンプの免許持ってます!」

「どうかなリーダー、なかなか見どころがある若者ではないか」

「確かに、芸術的ですし、問題解決能力、人材育成能力ともに測定不可能。しかし、わが社のリソースでは彼をCP2000にまでもっていくに足る砂がありません」

「お祈りします」

時たま、紹介でやって来るものもいる(これを金の卵、銀の卵、銅の卵と呼ぶ)。紹介なのでいきなり戦力外ということはない。

「紹介で来ました、ラプラスです!」

「はい採用!」

「紹介で来ました。イーブイです!」

「微妙だなぁ……、どうかなリーダー?」

「芸術的ですし、もしかしたら大文字を覚えたブースターになるかも知れないので採るだけ採ったらどうでしょう? 教育してから判断しても良いかと」

「明日から来てください」

「紹介で来ました。金の卵のカイロスです!」

「お祈りします!」

「そりゃ乱暴な(と、リーダー)。CP1000越えてますし、カビゴン商事に対する斬り込み隊長には十分使えますよ!」

「では、明日から来てください」

「新卒のポッポ来ました。CPがなんと320あります!」

「またポッポか。お祈りします」

「ちょっと待った(とリーダー)。飴が死ぬほど余っているから、とりあえず2回研修受けさせて、翼で打つと暴風を覚えたら正式採用ということで。ナッシー通商を落とすには十分かと」

「インターンしてみますか?」

という具合である。


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