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日々の破片

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2021-10-06

_ ネコに点滴

黒の調子が悪くて水すら飲めなくなっているので点滴を家ですることになった。

で、医者のお手本をメモして5日の晩、6日の朝と晩と都合3回やったがなかなか大変だった。

何がいやかといえば、やはり生きていてかわいいネコに針を刺さなければならないところで、当人はなんともなさそうな顔をしていても、そこはネコだから激痛に耐えているのかも知れない(ということは無さそうだが)とか、とにかく針が皮を突き破って内部に入るときに手応えがたまらなくおっかないし嫌な気分だ。

それにしても、皮と肉の間に液体を入れてそれが体内に吸収される(というのは排尿するからわかるわけだが)というメカニズムが不可解きわまりない。なんとなく、駱駝の瘤とはこういうことですか(実際には脂肪らしいが)みたいな気分を作ることで納得はするが、それにしても不可解千万だ。妻も、一体どこの誰がこういう方法で水分を補給させることを考えついたのだろうと不思議ちゃんになっている。

猫点滴セット

具体的な手順は、点滴バッグ(200cc入り)のゴムキャップ(最初にアルコール綿で消毒してから)の3箇所空いた穴のいずれかに、比較的太い針を装着した注射器の親分みたいなやつ(目盛は60ccまである)で刺して吸い込む。これがなかなか固い。点滴液が冷たいと嫌がるだろうから電子レンジで数秒温めても良いと言われたがさわった感じ問題なさそうな温度(でも考えたらネコの体感温度も体温に依存するだろうから人間より3度くらい高めに考えた方が良さそうだな、と今気づいた)なので温めずに済ませた。

吸い込むと、それなりに空気が入るので、針のあるところを上になるように斜め上向きに持って押し込んで空気を抜く(このために、針を装着する場所が偏った位置にあるのかなと思った)。とはいえ間違いなく抜き過ぎて液漏れさせるので(と1回目で経験したので2回目からは)流しでやるようにした。要は加減がわからないから完全に空気を抜こうとするからだな。

次に長いチューブ付きの細い針の受け側を注射器の太い針にさす。のだが、これが難しい。受け側は逆流しないようにだろうが、すさまじく狭い穴あるいはそもそも穴が開いていないので、老眼には不可能だ。というわけで、眼鏡を外して近眼状態にして問題なし。次にチューブ内の空気を抜くために少しピストンを押す。これも流しの上でやる。

で、いよいよ点滴を開始することになる。

肩甲骨の間の摘まめる皮の場所をアルコール綿で拭いて消毒兼毛をならして皮膚が見えるようにする。

左手で皮を摘まんで、一方右手で細い針についているバタフライ状の摘まみをザラザラを外側にして摘まんで、首側から尻尾側に向けて針を刺す。

のだが、初回は妻が顔のほうを抱っこしていたので尻尾側から首側へ向けて刺したら途中で針が抜けてしまった。どうも液体を注ぐ向きと体の流れは一致させないと良くないようだ。可哀想なことに初回は都合3回刺し直すことになって実に申し訳ない。

刺したらバタフライ部を広げてそこで押さえる(正しい向きに刺すと押さえなくても問題ないようだ。と3回目の経験というか、医者は押さえていなかったな)。

皮に針を刺してもその時は痛いかも知れないが一度突き通してしまえばあとは問題なさそうだ。むしろ、下手に針を動かして中の肉に当たると痛いのではないか(痛覚が肉にあるのかな? 打撃を感じるはずだからあるのだろう)とか考えると、できるだけ皮側に針を留めたいのだが、あまりごちゃごちゃ動かすわけにもいかないので加減が難しい。

で、こちらはおっかないので片手でバタフライ部を軽く押さえているので片手で注射器のピストンを押し込むのだが、むちゃくちゃ固い。

医者の見本を見ていると1ccあたり2秒くらいのテンポで注入していたが、その速度を維持するのが精いっぱいで、途中、手を変えることになる。途中、少しテンポが速まったかなと思うとネコもビクッとするので、単調なペース配分は重要そうだ。

そもそも注射器は針側を下に向けているので、ごく少量なら空気があってもピストンの丸みのところに入るので問題なさそうなことに余裕が出た3回目には気づいた。が、とりあえず今回の最後なのでいささか遅い。

で、針を抜いておっかないので元あった鞘に戻して、医療廃棄物なので別にしておく。

これ一人でやるのは無理だな。家は親子3人がかりでどうにかできたが。とにかく心理的には針を刺すのはいやだし、肉体的にはピストンを押すのが相当辛い(右手の親指が痛い。途中、手で注射器側を握って顎で押すというのを試したが、これは悪くない。悪くないが全然ネコが見えないので反応がわからずこれはこれでおっかない)。

それにしても不思議なのは猫の皮だ。

なんで、あんなにたるんでいるんだろう? 人間の皮も同じなんだろうか。なんとなく、人間のは摘まんでも厚みがあるから皮だけではないように思うのだが。

・針はいやだが、錠剤を飲ませるのよりは猫もおとなしくされるがままになるので、その分は気が楽ではある。が、薬は一人、点滴は家族総出なのでちょっと違うか。

・薬は奥歯(というか臼歯)が無いということに子供が気づいてからは口の根本に指を入れて開けさせることが比較的簡単にできるようになった。


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