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日々の破片

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2020-10-05

_ デヴィッド・ボウイ 最初の5年間を視る

妻がプライムビデオにボウイ最初の5年間が入ったよと教えてくれたので視た。スターチャンネルでは見逃したので今度はすぐに視た。

このシリーズ(最後の5年間も視たが記録に残っていないな)、年が変わると5年間のイントロのドラムパートを流すとかいろいろ音的におもしろい作りが楽しい。あと、ゴダールの90年代作品のような音のぶった切りも多用されるが、これは不思議な効果がある。良く知っている曲に耳をそばだてると突如途切れて言葉になるのが、不快でもあり強調されもする。

16歳くらいでロンドン郊外の家を出て(母親の写真がどれもこれも仏頂面で奇妙なのだが、そこにいろいろボウイの悩みもあったようだ)次々とバンドを渡り歩くがまったく目が出ない。

最初のバンドのギターとドラマーが話す。おれたちが雇ったんだ。最初サックス吹きかと思ったよ、首からぶら下げていたからね。

この頃の曲のCan't Help Thinking About Meは、Nothing Has Changedに収録されている初期の曲では最も好きなものの1つだが、びっくりしたのがこれがデビュー曲だったことだ。プロデューサーがサビもバッチリとか言っているのだがまったく売れなかった(この頃はデビッド・ジョーンズ)。

Nothing Has Changed (The Best of David Bowie) [Deluxe Edition] [Explicit](デヴィッド・ボウイ)

BBCのオーディションを受けてそのときの評価表をギタリストが見せる。平凡な歌手。へたな歌手、オリジナリティが無いとかぼろくそに評価されて、全評価者がNoを付けている。

それでも、出てくる人たちは、風景の中の人間の物語というそれまでには見たこともない詩を作るとか評価しているのだが、その後もバンドを移り変わりながら、まったく目がでない。

ファーストアルバムがリリースされるが全く売れない。

リンゼイ・ケンプが出て来て、気に入ったので舞台で楽曲を使った。ある日、最前列に大天使ガブリエルが降り立ったのかと思うほど美しい人がいることに気付いた。大天使は楽屋にやってきて、とても嬉しいから楽曲を作らせてくれと言った。ボウイだ。

金が払えないと言ったら、マイムを教えてくれればよいと言った。

二人で舞台に立った。客はいなかった。

その後、ボウイから連絡が来た。おれの(忘れた)を見てくれというので、店に展示されているのを視た。マルセル・マルソーの真似かな。最悪だ。くそだった。

ボウイの声が入る。そりゃ落ち込んだ(ケンプの言葉に対してかどうかはわからん)。

ヘルミオーネが出てくる。老いてなお美しい人だな。

そっくりな二人だった。

いつまでも一緒にいることはないとわかっていた。MGMからオファーがあったのよ。当然行くでしょ。

ボウイは次々にいろいろなスタイルを試す。僕は影響を受けやすいんだ。

ボウイは真似するのも全然平気だった(と証言)。ヴェルベットはアルバム発売前に音源を手に入れていた。すごい。

というわけで、屋根裏部屋でおもちゃの兵隊のネジを巻く少女の歌を作る。兵隊は少女を鞭で打つ。ある日少女はネジを巻き過ぎた。兵隊は壊れてしまい少女を鞭で打ち続ける。ついに少女は死んだ。

なるほど、これはパチモンというか出来の悪い毛皮のヴィーナスだ。というか、サビの歌い方()とかルーリードの真似以外のなにものでもなくてびっくり。セヴリンセヴリンの条とかそっくりだ。

ボウイの発案でみんなで化粧して舞台に立った。おれの顔に花を書いてもいいか? と言われたよ。なかなか良いアイディアのようだが誰もおれたちを見ずに鞭を見ていた。

プロデューサーが出て来て、ここで初めて名前を聞いた歌手(あるいはスタンダップコメディアンか?)みたいだとその路線で売り出すことになる。

カルロスアロマーが、妻がその歌手みたいだと教えてくれたとか言っていたが忘れた。

トニーヴィスコンティが、スペースオディティは気に食わないので、ボウイファンのガスにプロデュースさせた、と言う。ガスが生きていたら、やつが説明すべきなんだけど、どこか遠くで12弦ギターが鳴る。

太った男が、メロトロンを説明する。ボウイは普通のストリングではない音を欲しがったんだ。サージェントペパーズとかにも使われた夢みたいな楽器だが、8秒しか音がでない(確か、8秒分のテープが各キーに割り当てられているはずだな)。

こんなふうだ。と8秒(以上のような気がするが)鳴らすと突如ブツンブツンいって音が切れた。押しっぱなしの最後を初めて耳にできた。

しょうがないのでエコーをかけてボウイの要望に応えた。この仕組みはイエスでも使うことになったな。リックウェイクマンがバックにいたのか。

5位までチャートを昇る。というか、この曲は本当に素晴らしい。

ボウイの声に変わる。次のシングルをみんなが期待しているから、期待に応えてSF用語を散りばめた曲を作った。スターマンだ(本当にこの順番なのかなぁ)。

アルバム、世界を売った男が発売される。まったく売れない。

ちょっとハードロックっぽいのが多いだろ? と当時の仲間。でもアルバムジャケットはドレスを着た男だ。ツェッペリンに勝てるわけがない。

フリーコンサートに誘ったら出てくれた(最初はアンジーが電話に出て断られたので2回目にかけたらボウイが出た)。

朝5時30分に叩き起こされた。オルガンが1台だけの舞台でみんな寝ている。

ここに素晴らしいChangesが流れるのだが、この時の音源なのかな? このChangesは絶品だ。

人々が目覚めて集まって来る。素晴らしい瞬間だった。

ミックロンソンが仲間に加わる。ボウイはおれのジミー・ペイジを手に入れたと喜ぶ。いや、違う。おれのミックロンソンを手に入れたと喜ぶべきだとヴィスコンティ(だと思うが違う人かも)。クラシックの素養があり、ピアノも弾けるしなんとかもできる、こんな独特なすごいミュージシャンはミックロンソンその人だ。

ハンキードリーが発売される。

全然売れない。

が、演じる人を演じるという2重構造が完成する。

ジギースターダストが出現する。

ボウイはタイミングを見計らっていたのだろうと誰かが言う。

ハマースミスオデオンは特別だ。

ギタリスト(ミックロンソンではない、バックでリズムギターを弾く人だったのかな?)が言う。楽屋でボウイが言った。ロックンロールスイサイドのイントロはいつものパターンと外す。おれが合図するまで演奏するな。なんだろう? すると「これで終わりだ」とボウイがいつもと違うことを言いだした。盛り上げるための演出か?

最後、レベルレベルが流れながら終わり。

デヴィッド・ボウイ 最初の5年間(字幕版)(デヴィッド・ボウイ)

5年間じゃないよなと思ったら、原題はファインディングフェイムなのか。とはいえフェイムまでは進まなかったけどな。あと年の切り替えのバックは5年間だし。

結局僕は有名になりたかったんだ、というボウイのセリフがどこかで入っていた。


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